Hullmoon High Tide

3:20am アラームに飛び起きて歯磨きもせずエンジンに火を入れた火曜の真夜中


今日も大事なサンプル依頼が控える　サボる訳にはいかない


だが南東のうねりがあるのは解っていた　逃す訳にはいかない




4時を待たずに横浜新道でこのグラデーション




川名を過ぎる頃にはすっかり明るくなってきた




七里に着くともうこの透き通る空気に燃えるような色彩が




遠く逗子と葉山の山々に濃い霧が掛かり神々しい何かを感じた




Shichirigahama Quality...




Hullmoonのハイタイドを迎え、Setの波以外は割れることはない


だが厚い水量を伴ってたまに割れる長いスロープの波は強い押しの完璧な三角フレーム


こんな時は8'0 Malibu Super Miniが静かにその真価を発揮する...









3mmラバーの下に汗ばむほど沢山の波に乗り　気付くと潮は干きに向かい始める


徐々に海が　水が動き出す　


夜明け前には割れなかったうねりがインサイドの棚でブレイクし出した






そうなれば5'3 Bamboo Quadしかない






毎朝の夜明けを此処で過ごす大友先生とSetの2本目を競ったが


勝負は始まる前から決まっていた


此処であの人から極上のレフトをもぎ取れる人など　そういないはずだ...


絶妙なポジショニング　そしてただただ　毎日のルーティンに最高のリスペクトを






俺が行かなければいけない時間にBest Tideを迎えるのはいつもの事...


夏の日差しが俺の帰路を遅らせる


6:15 Time up... and I must go work


無理矢理自分に諦めをつかせて車のキーを回し　ウエットを脱ぎ捨て駐車場を後に





だが帰りのR134も精神衛生上あまり良くない


心地良い疲れと満たされた気持ちに溺れ任せゆっくりと走っていると


南東からこんなド三角のうねりがヌラ〜っと姿を現す




そしてカッシャーンとパーフェクトに割れていく...


もうちょい干いたら最高だろうな


俺は悔しさを隠すようにその波を一瞥すると


アクセルペダルをベタっと踏み込んだ


Flat4の乾いた音が　稲村の切り通しに響いた....


peace