Twilight surfing

夜明け前の暗闇波乗りは最高



新聞屋よりも早く飛び起きて　寝癖も直さずに車に乗り込む



青信号ばかりのガラガラの一般道を抜け



まだ宵の空気の中をタオルも捲かずに着替え



白波だけが確認出来る中　海へ飛び込む



そこには　海と自分しかいない



やがて鳥が舞い　魚が跳ね　東の空が白み始めると



二人目のSurferがやってきて　そこから長い一日が始まる.....













だが夕方の波乗りも最高だ



昼に吹いた海風は　夜に近づくにつれ陸が冷やされ　



大気の気圧差が限りなく0に近づき　やがて止まる



名残り惜しく波に乗る人数も一人、また一人と減り



LOCALはとっくにビーチで麦酒をあおり



海岸線のレストランには松明が燈る



そして緩いオフショアに乗り美味しそうなカレーの匂いが流れてくる



鳥目を誤魔化しながらうねりとの間隔を測り



半信半疑で斜面にボードの傾きを合わせ



最後の一本と決めた滑走を済ませると



身体は勝手にまた沖へと向かおうとする



おいおい、もう何も見えねえよ



そうだな　上がるか。。と声に出して自問自答し



温い真水を浴びて着替え時計を見れば20時を回っていた...



そんなSUNSET SURFが最高......










どちらも代え難き　心洗われる素晴らしい時間



だが今　必要とするのは　焼けるような夕陽の中での波乗りだ



独りじゃない　陸にはワインの詰まったポットを片隅に



メキシカンラグを敷いて砂の上に待つ愛する人



この後夕食は何にしようか　地の魚を買って帰ろうか



いやでももう魚屋は閉まっているだろうか



そんな事を考えながら最後の波に名残り惜しむように少しだけ丁寧なテイクオフ



足裏に心地いい砂の感触　輝き始める星　そして月



待ってくれた事への侘びなんて必要ない



『ありがとう』　



ただ、その言葉と美味しい夕食と少しのワインで



今宵も熱い熱い夜はギャランティー.....















peace....